
厳しい経済環境ではじまった21世紀、皆様におかれましては資産運用に対するご関心を日増しにお感じのことと存じます。証券業を営んで120年の木村証券では、今こそ株式投資の重要性を皆様にお伝えしなくてはならないと考えております。一言に株式と申しましても、国内上場・公開企業だけでも3000社以上あり、玉石混淆のなかから見付け出すことは容易なことではございません。
「良い株式を良い顧客に持っていただきたい」という弊社の願いを込め、「三英傑シリーズ」と郷土が生んだ英雄にちなんで株式を幅広く皆様にご提供できればと存じる次第です。
三英傑の名を借りて銘柄選択の切り口を三つに分け、投資スタンスが少しでもわかりやすくなればと考えました。
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株式投資にはタイミングが重視されます。株式相場の状況や今後の展開をふまえ、需要やテクニカルを重視しながら機会を捉えた時に原則的に選びます。
時空を超えて夢とロマンに馳せたアグレッシブ(攻撃的)な信長にちなみました。 -
投資対象を企業の成長力と位置づけ、収益価値の集約EPS(=一株当たり利益)を基準として、原則的に当数値が今後増大すると予想されるものから選びます。 日吉村の農家から太閤になった成長性にちなみました。
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投資対象を本質価値に位置づけ、市場時勢によって過小評価されているものを本質価値の集約BPS(=一株当たり純資産)を基準として、原則的に当数値がPBR平均以下のものから選びます。徳川300年の基礎を築いた着実な安定性にちなみました。
「三英傑シリーズ」2025年5月版
信長コース | 注目ポイント |
(2206) 江崎グリコ | チョコ、ビスケット菓子大手。乳製品やカレー、化粧品素材も展開。中国、タイへ進出。24/12期事業別売上高構成比(調整額除く)健康・食品13.6%、乳業16.3%、栄養菓子18.8%、食品原料4.1%、国内その他23.3%、海外23.9%。中国で「ポッキー」を中心に菓子販売が堅調。インドネシア新設のポッキー工場稼働率が高水準。「アーモンド効果」などの主力冷蔵品が回復。 |
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(3626) TIS | 独立系情報サービス大手。08年経営統合。クレカ決済系強い。24/4-12期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)オファリングサービス24.6%、BPM7.3%、金融IT17.2%、産業IT21.6%、広域ITソリューション29.3%。銀行、製造、サービスなど幅広い業種のIT投資取り込み開発案件を順調に獲得。ベトナムのシステム会社と提携。アジア市場開拓めざす。 |
(6923) スタンレー電気 | 自動車照明大手。二輪車用も高シェア。電子部品が第2の柱。25/3月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)自動車機器74.2%、コンポーネンツ6.2%、電子応用製品19.6%。国内子会社を吸収合併。広島工場に自動化設備の新工場を増設し生産体制を改善。三菱電の関連会社と次世代二輪・四輪車搭載ランプの開発・製造・販売で合弁設立。タイの子会社を連結化。 |
(8227) (株)しまむら | 衣料品小売り大手。全国に店舗網。婦人・実用衣料を低価格販売。25/2期事業別売上高構成比、しまむら74.8%、アベイル9.9%、バースデイ11.5%、シャンブル2.3%、ディバロ0.2%、台湾1.3%。首都圏や関西圏を中心に出店を強化。高単価プライベートブランドを拡充し1点あたり単価引き上げで人件費上昇を吸収。中期経営計画のROE目標9%以上に引き上げ。 |
(8267) イオン | 総合小売大手。GMS、不動産、金融、専門店など。25/2期事業別営業収益構成(その他、調整額除く)GMS33.4%、SM28.7%、DS3.9%、ヘルス&ウェルネス12.4%、総合金融5.0%、ディベロッパー4.7%、サービス・専門店6.8%、国際5.1%。PBの販売伸長。イオンモールとイオンディライトを完全子会社化。小型スーパー新規出店。ウエルシアとツルハを統合へ。 |
秀吉コース | 注目ポイント |
(1802) (株)大林組 | ゼネコン最大手。大型土木・建築に強み。北米、アジアに展開。24/4-12月期事業別売上高構成比(その他除く)国内建築54.0%、海外建築18.7%、国内土木16.3%、海外土木8.9%、不動産2.1%。25/3期は工事順調で上方修正。前期買収の米国水インフラ企業が寄与。建築の利益率が改善し、政策保有株の売却も進む。海外で再エネから製造した水素の運搬実証実験で検証。 |
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(4613) 関西ペイント | 国内総合塗料大手。自動車向け国内首位。24/4-12月期地域別売上高構成比(その他、調整額除く)日本30.0%、インド24.4%、欧州26.3%、アジア11.8%、アフリカ7.5%。日本の船舶やインドの自動車向けが好調。インドは建築用をテコ入れ。欧州は買収先との協業が進展。建築向けに好効率に製造する工場を春日井市に建設。住宅向け塗り替え需要への対応を強化中。 |
(5110) 住友ゴム工業 | タイヤ世界大手。オーツタイヤ合併。ブランドはダンロップとファルケン。24/12期カテゴリ別タイヤ販売構成比、乗用車(高機能タイヤ40%、プレミアムタイヤ44%)、トラック・バス4%、二輪・産業9%。米工場閉鎖など構造改革で採算改善。米グッドイヤーから欧米、オセアニアのダンロップブランドの販売商標権を取得し拡販。国内最大の水素生産設備で脱炭素化。 |
(6594) ニデック | 精密モーター世界大手。HDD用は首位。M&A特色。25/3期製品グループ別売上高構成比(消去又は全社除く)精密小型モータ18.7%、車載25.5%、家電・商業・産業用40.3%、機器装置12.1%、電子・光学部品3.2%、その他0.1%。データセンター向けにHDDモーターが伸長。3つの転換を軸とする中期経営計画策定。牧野フライスTOBで工作機械事業の拡大図る。 |
(7259) (株)アイシン | トヨタ系部品大手。自動変速機で世界トップ。EV向け駆動装置「イーアクスル」開発に注力。25/3期地域別売上収益構成比(その他、調整額除く)日本55.4%、北米18.9%、欧州5.2%、中国11.2%、アセアン・インド9.3%。事業効率化めざし自動変速機部品の蒲郡工場を27/3に閉鎖し、生産を移管・集約予定。スズキ初の量産型バッテリーEVにイーアクスルを搭載。 |
家康コース | 注目ポイント |
(4205) 日本ゼオン | 合成ゴム大手。古河系。耐油性特殊ゴムでトップ。25/3期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)エラストマー素材66.4%、高機能材料33.6%。ノートPC向け光学フィルムやプリンター向け光学樹脂が好調。自動車向け合成ゴムの価格転嫁も進展。米テキサス工場の電池材投資を2年凍結。高岡工場のリサイクルラインが今秋にも稼働し自社フィルム製造に活用。 |
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(4272) 日本化薬 | 火薬から半導体向け、医薬、自動車部材、染料、農薬など機能化学品展開。24/4-12月期事業別売上高構成(調整額除く)モビリティ&イメージング41.2%、ファインケミカルズ30.2%、ライフサイエンス28.6%。火工品燃焼処分や高エネルギー物質評価試験が好調。大型案件も受注。エアバッグのインフレータや産業用インクジェット、半導体向け機能化学品が堅調。 |
(5711) 三菱マテリアル | 総合材料メーカーの国内非鉄大手。アルミ、超硬工具、鉱山出資など多角化。セメント事業を分離。24/4-12月期事業別売上高構成比(調整額除く)金属64.0%、高機能製品22.5%、加工6.5%、再生エネルギー0.4%、その他6.6%。伊金属加工大手を買収。工具の研磨を強化し自動車分野以外への営業を強化。パナソニックと廃棄家電の金属回収で再資源化に取り組む。 |
(7267) ホンダ | 二輪車世界首位。四輪車は米国で人気。海外生産で先行。2040年脱エンジン目標。24/4-12月期事業別売上収益構成比(消去又は全社除く)二輪16.3%、四輪65.8%、金融サービス16.1%、パワープロダクツ及びその他1.8%。日産自との統合協議は破談。台湾鴻海精密工業を含めた4社で協業を検討。米の追加関税により生産移管で9割を現地生産に。印で二輪車に注力。 |
(8053) 住友商事 | 大手商社。グループ中核。金属、自動車、海外発電も。24/4-12月期事業別収益構成比(消去又は全社除く)鉄鋼23.1%、自動車10.1%、輸送機・建機11.3%、都市総合開発5.2%、メディア・デジタル7.3%、ライフスタイル14.2%、資源4.0%、化学品・エレクトロニクス・農業15.5%、エネルギートランスフォーメーション9.3%。SBIHDとAI開発用データ事業へ参入。 |